グレイウィルド境域

Graywild Borderlands



概要
グレイウィルド境域は、
ヴァンデーゲン伯爵領とリベール辺境伯領の間に位置する、荒涼とした土地である。
この地域の土壌は奇妙に灰色がかっており、非常に作物が育ちにくいため、ほとんど街といえる街がない。
人間も亜人種もこの荒涼とした場所でお互いの資源を奪い合いながら生きている。
地域全体が薄暗く、不気味な雰囲気を漂わせている。
地理と環境
グレイウィルド境域は、森と荒野が混在する地形で、森の中にはしばしば深い霧が立ち込めている。
荒野部分は乾燥しており、地表にはまばらな植生しか見られない。
荒野部分の灰色の土は古い時代の火山灰を含み、土壌が灰色であることが特徴で、作物の栽培が困難である。
これにより、この地域は非常に人の手が入っておらず、自然が荒れ果てた状態で広がっている。
住人と勢力
ケンクの集落
ケンクたちはこの地域にいくつかの集落を形成している。
彼らは慎重に行動し、他の種族と距離を保ちながら生活している。
ケンクたちはスプリットポストと鉄の爪会議の両方情報を提供することで、自らの集落を守っている。
スプリットポストには襲撃計画地点を、鉄の爪会議には小規模な隊商が通る日を漏らしている。
ゴブリン、ホブゴブリン、バグベア、オーガ、コボルド
これらの亜人種は、時折混成グループを作り、襲撃を行っている。
彼らは、シェイドリッジ街道南西部の森の中で鉄の爪会議を開き、
部族間の協力や襲撃の方針を決定します。
この会議では、バグベアの兄弟が他の種族を従える形で影響力を行使しています。
主要な場所
- スプリットポスト (Splitpost)
スプリットポストは近くの森から切り出された木でいい加減に建てられた粗末な建物と、商隊や傭兵隊の幕屋、露店が並びます。
スプリットポストでは安い酒が提供されており、何のものかはよくわからない肉の串が焼かれたり、
野菜を適当に焼いたようなものが露店で売られています。
困窮した元冒険者が生活用品を売りに出していたりもします。
ここではケンクが普通にウロウロしているところも見られます。
商隊は積み荷の一部を提供することで窃盗などの被害を間接的に回避しています。
この街は分岐点に位置し、グレイウィルド境域への重要な出入り口となっています。
シェイドランサーズ (Shade Lancers) と呼ばれる無頼漢の傭兵たちがこの地域を守護していますが、
実際には彼らの活動には影があり、商人や旅人にとっては決して安心できる存在ではありません。
スプリットポストの立ち飲み屋「女好きのザルデルンとっつぁんの旅亭」
ビール、ワイン、どぶろくをちゃんぽんにした酒が飲まれています。 - シェイドリッジ街道 (Shaderidge Road)
スプリットポストから北上し、グレイウィルド境域を通り抜けて橋の街ヴェルクリーズ (Verclays) に至る主要街道。
亜人種の襲撃が頻繁に起こる危険な道であり、シェイドランサーズによる護衛が求められます。 - シャドウクローの森 (Shadowclaw Forest)と鉄の爪会議
シャドウクローの森はグレイウィルド境域南西部の森林地帯です。
鉄の爪会議は、グレイウィルド境域におけるモンスターたちの集まりとして、その地域の脅威の一つとなっています。 - 鉄の爪会議 (Iron Claw Council)
グレイウィルド境域において、バグベア、ホブゴブリン、ゴブリン、オーガ、コボルドの混成グループが行う定期的な会合です。
彼らはシェイドリッジ街道南西部のシャドウクローの森 (Shadowclaw Forest)で集まり、部族の代表同士が集まって方針を決めます。
実際には、バグベアの兄弟が他の種族を従える形で権力を握っていますが、彼らは時折組織的な襲撃を行い、その脅威を維持しています。
また、スプリットポストに現れるケンクたちは、鉄の爪会議に情報を提供することで、集落の安全と利益を確保しています。
この会議で決定された計画に基づいて、亜人種たちはグレイウィルド境域を通る隊商を襲撃します。
リーダーとなっているバグベアの兄弟はSlashclaw(スラッシュクロウ)Zephyrclaw(ゼフィクロウ)です。
鉄の爪会議においてコボルドが一番階級が低く、
コボルドは鉱山で働かされ、武器を作るよう命じられているうえ、最前線での特攻を命じられています。
コボルドは繁殖力が旺盛なので、そのような立場においても数が減っていませんが、
ホブゴブリンが率いるゴブリンの隊が仕掛けてくることが一番多くなっています。
鉄の爪会議の本拠地はシャドウクローの森の中にある廃墟となったペイロア寺院です。
安全と脅威
グレイウィルド境域は、非常に危険な地域です。鉄の爪会議で組織された亜人種の襲撃や、
ケンクたちによる裏取引など、脅威が絶えません。
特に、シェイドリッジ街道を通過する際は、
シェイドランサーズの護衛を雇うことが強く推奨されますが、彼ら自体が信頼できる存在であるとは限りません。
トゥルーランサーズ(True Lancers)
シェイドランサーズ の中でも、隊商を逆に殺して荷を山分けにしたり、鉄の爪会議と通じているものがいることがあります。
そうして追放された者同士が集まって組織化しています。彼らはヴェルクリーズの東方にある森の中の砦を借りのねぐらとしています。
「トゥルーランサーズ」は、倫理に縛られず自由を追求する者たちとして活動していますが、
その行動はしばしば非道であり、スプリットポットの人々からは「裏切り者たち」として忌み嫌われています。
彼らはヴェルクリーズの東方にある森の中の砦を拠点とし、反社会的な活動を行いながらも、自らを「真の自由人」と信じています。
アマユアの迷森
グレイウィルド境域の南側に広がる密林地帯がアマユアの迷森である。
「アマユア」は古代テライナの言葉で「秘められた地」を意味し、
密林地帯に存在する隠された集落や未知の危険を暗示している。
グレイウィルド境界の南に広がる密林地帯は、未開の自然が支配する無秩序なエリアで、さまざまな種族や亜人種の集落が点在している。
このエリアは地形や気候の影響で旅が極めて困難であり、まとまった道や街道が存在しないため、
熟練したガイドや地域に住む亜人種たちの助けがなければ、深部へ進むことはほぼ不可能である。
密林を支配する原始的なテライナ人の集落がところどころに点在しており、
彼らは地域の精霊や自然を崇拝し、異教の儀式を守りながら生きている。
外部からの干渉を極度に警戒しながらも、時には勇敢な冒険者や旅人に必要な助けを提供することもあります。
密林の奥深くでは薬草や珍しい鉱石が採取でき、これらを求める探検者が彼らに案内を依頼することも少なくありません。
オーガーやトロルをはじめ危険な亜人種の集落も存在している。
南部へ旅を続ける冒険者の中には、原始的なテライナ人の信頼を勝ち取ったり、
彼らの助けを借りて密林を突破し、さらなる未知の地へと足を踏み入れた者も存在する。
しかし、密林には強大な捕食者や、秘められた魔法の影響によって変異した植物・動物が多く、
進むほどに生命の危険が増すため、帰還できる者は限られている。

