ヴァル=セリエ

Val-Célier

雰囲気・景観

巨大な聖堂群と修道院、鐘楼、回廊が石造で連なり、
建築そのものは今なお壮麗で、崩壊もしていない。
だが――音がない。

鐘は鳴らされず、
聖歌は響かず、
説教の声も、祈りの唱和も存在しない。

街路は掃除され、石畳は整っているが、
人影はまばらで、
住民たちは互いに視線を合わせることを避け、
必要最低限の会話しか交わさない。

地理・環境

  • アーレン辺境伯領 中西部
  • マガーグとウェイマス公爵領を結ぶ街道沿い
  • 緩やかな丘陵と石灰岩質の地盤

周囲は開拓済みの牧草地と低木林。一見穏やかな雰囲気ではあるが、
宗教的緊張地帯として知られる

歴史

■ 宗教都市としての成立

ヴァル=セリエは、
アストランド王国南部における
聖カスバート教会の教理統一拠点として建設された。

・大聖堂
・修道院
・神学審問所
・聖遺物保管庫

を備え、
「正統信仰の都市」「沈黙と規律の模範」と称えられた。

かつては巡礼者と聖職者で溢れ、
昼夜を問わず祈りと鐘の音が響いていた。

■ 大遠征前後

森の民弾圧と大遠征の思想的正当化において、
ヴァル=セリエの神学者たちは重要な役割を果たした。

・異端理論の整備
・血統による「穢れ」の定義
・没収と粛清の神学的正当化

これらはすべて、
この都市で文章化され、説教原稿として各地に送られた。

■ 沈黙の時代

しかし、大遠征の失敗と赤い霧の発生、
無限の塔内部での死者発生、そして神学者たちの暗殺をきっかけに、
宗教界内部でも亀裂が生じる。

・一部の高位聖職者が失踪
・異端審問記録の封印
・公開説教の停止

産業・交易

宗教都市であり、産業は乏しい。

・写本制作(縮小)
・聖具修復
・巡礼向け宿泊(ほぼ停止)
・教会内部流通のみの物資管理

外部商人はほとんど立ち入らず、
交易は最低限に抑えられている。

統治と権力構造

名目上:アーレン辺境伯領
実質:聖カスバート教会 上位評議会

世俗の役人は存在するが、
意思決定はほぼすべて宗教側。

現在の統治は
「決断しないことで現状を保つ体制」である。

宗教

聖カスバート教会(主流派)

だが、

・公開説教:停止
・鐘楼使用:停止
・異端審問:事実上凍結

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