黒鐘の砦

Black Bell Hold
雰囲気・景観
砦の中心には、高く細い鐘楼がそびえ立ち、
そこに吊るされた巨大な黒鉄の鐘が、
一日に数度、低く鈍い音を響かせる。
城壁は他の砦よりも装飾が少なく、
代わりに聖印、刻文、戒律文が石に刻み込まれている。
夜でも篝火は控えめで、
闇の中に砦全体が沈み込んでいるように見える。
地理・環境
アーレン辺境伯領中部
マガーグと前線砦群を結ぶ街道沿い
- 霧の直接影響圏外
- 補給と人員移送の中継地点
- 周囲は開けた丘陵地
軍事的には防御しやすく、
宗教的には「穢れが及びにくい」とされる場所に築かれている。
歴史
■ 建設の経緯
黒鐘の砦は、
大遠征以前から存在する砦ではない。
遠征が失敗に終わり、
王国と教会が
「統治のやり直し」を決断した後、
聖カスバート教会の主導で建設された。
目的は明確だった。
- 異端の摘発
- 兵と民の思想統制
- 前線で起きた出来事の再定義
この砦は、
軍を守るためではなく、軍を正しく使うために作られた。
■ 現在
現在、黒鐘の砦は
異端審問の前線拠点として機能している。
裁きはここで下され、
処刑や追放は、
別の場所で静かに行われる。
産業・交易
公的交易:ほぼ存在しない
主な活動:
- 囚人移送
- 書類整理
- 審問記録の作成
- 聖遺物・証拠品の保管
金は動くが、
それは市場を通らず、
帳簿と密室の中だけを巡る。
統治と権力構造
名目上:アーレン辺境伯領の宗教補助砦
実態:
聖カスバート教会の直轄要塞
- 砦長:教会任命
- 軍司令官:補佐的立場
- 裁判権:砦内で完結
法律:教会法最優先
税:なし
駐屯兵:少数精鋭
ここでは
命令は議論されず、判断は共有されない。
宗教
聖カスバート教会:完全支配
- 礼拝は義務
- 懺悔は定期的に強制
- 信仰の有無は問題ではない
問題になるのは、
疑われる理由があるかどうかだけである。
黒鐘の音は、祈りの合図であり、
同時に次の裁きが始まる合図でもある。

