グラース(サンクティア・グラース)

Grasse/Sanctia Grasse
雰囲気・景観

グラースは、緩やかな丘陵が連なる大地に広がる、恵みと静謐を感じさせる農業都市である。
見渡す限り続く葡萄畑は季節ごとに表情を変え、春には淡い緑、夏には濃く力強い葉、秋には黄金と深紅が丘を染め上げる。
石造りの修道院と圧搾施設が点在し、祈りと労働が自然に結びついた風景が街の基調となっている。
ユディカの威圧的な宗教都市とは対照的に、ここでは鐘の音も柔らかく、空気には土と果実、発酵する葡萄の香りが混じる。
地理・環境
- 大陸性気候の丘陵地帯
- 夏は乾燥し日照が強く、冬は冷え込むが致命的な寒さにはならない
- 水は丘陵を縫う地下水と小河川に依存
- 土壌は石灰質を含み、葡萄栽培に非常に適している
この環境条件により、ヴァンデーゲン伯爵領南部でも屈指の葡萄生産地となった。
歴史
グラースの地は古くテライナ人の時代から「ブドウが実る丘」として知られていたが、
本格的に栽培が開始され、都市化したのはユディカ成立以後である。
聖カスバート教会は、南部支配の安定には
「裁き」と同時に「恵み」が必要であると判断し、
この地を聖なる供給地=サンクティア・グラースとして位置づけた。
以後、ユディカの修道院ワインの原料はほぼすべてここで生産されるようになり、
街は宗教都市を陰から支える存在として発展した。
産業・交易
- 主産業:
- 葡萄栽培
- ワイン醸造(一次工程)
- 副産業:
- 穀物、果樹、蜂蜜
- 木樽・圧搾器具の製作
完成品の高級ワインは主にユディカ側で瓶詰め・祝福され、
「聖なるワイン」として各地へ流通する。
統治と権力構造
- 名目上はヴァンデーゲン伯爵領の一都市
- 実質的にはユディカ修道院と強い経済的結びつきを持つ
直接的な宗教支配は受けていないが、
教会の意向を無視することはできない微妙な立場にある
街の評議会は存在するが、修道院代表の発言力は非常に強い。
宗教
聖カスバート信仰が主流
ただし、ユディカほどの過激性はなく、
人に恵みを与える神の側面が強調される
修道士たちはここで
- 祈り
- 労働
- 醸造
を一体のものとして実践しており、
異端審問や処刑の気配はほとんど感じられない。

