グラウ=ホルン山域

Grau-Horn Range
雰囲気・景観
この山域に足を踏み入れた者は、まず風の冷たさに気づく。
それは季節の問題ではなく、地形そのものが吐き出す冷気のように感じられる。
谷を抜ける風は音を運び、遠くの落石や、水の流れ、時には正体不明の唸り声を、実際の距離よりも近くに錯覚させる。
空は常に重く、雲が低く垂れ込めている。
晴天であっても、峰のいずれかには必ず影が残り、山全体が半ば眠り、半ば目覚めているかのような印象を与える。
視界は広いはずなのに、どこか閉じ込められている感覚が拭えない。
岩肌は古く、風化しているが、崩れ落ちる気配は少ない。
人の手が入らないまま、ただ「そこに在り続けている」重みがある。
苔や地衣類はわずかに見られるが、緑は乏しく、生命は隠れるように存在している。
地理と環境
グリューネフェルト地方の西端、
枯れ川に合流する現存河川の上流域一帯に連なる険しい山岳地帯。
- 標高は高く、尾根と谷が複雑に入り組む
- 谷底には氷雪由来の冷たい流れがあり、下流で湿地と農地を潤す
- 上部は常に雲がかかりやすく、天候が急変する
- 森林限界は比較的低く、上部は岩稜・礫地が多い
この山域は「西の壁」にあたり、
意図的な開発・入植はほとんど行われていない。
生息勢力
トロール
- 主に谷筋・洞穴・崩落地帯に棲息
- 個体差が大きく、知能もまちまち
- 湿地に近い下部個体群は再生能力が高い
- 食料を求めて夜間に山を下ることがある
特に、
フェルディナ西側の湿地縁・古い水路跡で目撃例が多い。
ジャイアント(主にヒル・ジャイアント)
- 山頂付近~尾根筋に散在
- 明確な王国・部族連合は存在しない
- 狩猟圏を侵されると極めて攻撃的
- トロールを下位種族として扱う個体もいる
100年以上前に形成されたとされる大森林(北側)の拡張により、
ジャイアントの行動範囲が南下傾向にあると考えられている。
歴史的背景
- 古戦場(ルフェリア)よりもさらに古い時代から
人間と亜人種にとって危険な地と認識されていた - 大規模討伐や遠征は行われた記録があるが、
完全制圧は一度も成功していない - ヴァンデーゲン伯爵領成立以降も、
この山域だけは明確な領域外として扱われている - 巨人族の時代から存在する巨大な遺跡が存在している。




