枯れ川峡谷地帯

Dry Gorge of the Withered Flow
雰囲気・景観
枯れ川峡谷地帯は、
長く干上がった川床がそのまま深く刻まれ、
東西を切り立った岩壁に挟まれた、陰鬱で閉塞感のある地帯である。
空は狭く、日照は短く、
谷底には常に冷たい空気と湿り気が溜まっている。
乾いた砂礫の中に、ところどころ濡れた岩肌や苔が見え、
完全な死地ではないことを静かに主張している。
岩壁の割れ目や地層の境から湧き出す微量の湧き水が点在し、
その周囲だけがわずかに緑を保っている。
地理と環境
位置
ヴァールハルテ北方、枯れ川中流域から終端部にかけて広がる峡谷地帯。
南の荒廃地帯と北の再生地帯をつなぐ、事実上の通過回廊。
地形
- 幅は狭く、場所と天候(雨の後など)によっては数日馬車が通れないこともある
- 河床は乾いているが、完全に崩壊してはいない
- 両側の岩壁は自然の要害となる一方、逃げ場が少ない
水源
- 湧水点の周囲に小さな湿地や水溜まりが形成される
- 地下水が岩の隙間から断続的に湧出
居住地・人々
この地帯には、湧水点を中心にした小集落が点在する。意外と数は多い。
娼館まがいのことをしているだけの集落もあり、鍛冶や道具の直しだけをしている集落もあり、様々である。
- 戸数:5~20戸程度
- 定住者は少なく、出入りが激しい
- 建物は石と粗末な木組み、半地下構造も多い
住民は以下のような人々が混在する。
- 南から逃れてきた難民
- 北へ向かう旅人や巡礼
- 密輸人、情報屋、逃亡者
- かつての住民の末裔
彼らは互いを深く信頼せず、
「ここでは生き延びることが全て」という価値観を共有している。
統治・勢力
明確な統治者は存在しない。
- ヴァールハルテ城主、ヴァンデーゲン伯爵領の権威は及ばない位置
- モルディア辺境伯領の影響も名目上のみ
- 自治・私刑・取引による秩序が場当たり的に成立
小集落ごとに、
- 自警団
- 用心棒
- 非公式な「まとめ役」
が存在する場合もあるが、恒久的ではない。
大規模な商隊は襲撃対象になりにくいが、小規模な商隊はカモにされやすい。
宗教
公的な神殿は存在しない。
- ハイローニアス信仰はほぼ見られない
- 聖カスバートの名は「秩序」の象徴として語られるのみ
- ネルルへの私的な祈りや、死を受け入れる信仰が散発的に存在
簡素な石積みや、骨を並べた祠が見られることもある。

