フェル=ラヒ

Fel-Lahi
雰囲気・景観



フェル=ラヒは、森の民(太陽の子達)がもっとも自然な形で生きている場所である。
防衛の緊張も、境界の警戒も薄く、
ここには「日々が続いていく」という静かな確信が漂っている。
湖の近くに広がるこの集落では、
住居と森、森と水の境界がほとんど存在しない。
半地下の住まい、古木の根元、湿地の縁――
それらは「建てられた」というより、そこに在る。
朝には霧が湖面から立ち上り、
昼には木陰で子どもたちの声が響き、
夜には焚き火と歌が短く灯る。
地理・環境
ラヒ領域のほぼ中央部、
赤い霧の森の内側に位置する生活圏集落。
- 標高:およそ800〜1100m
- 気候:暑くも寒くもない、安定した高原林気候
- 地形:
- 緩やかな森
- 湖岸の湿地と草地
- 小さな水路と泉
湖は集落のすぐ近くにあり、
水源・漁・清め・儀礼のすべてを担ってきた。
歴史
■ イラリエンとしての時代
かつてこの地は イラリエン と呼ばれていた。
それは森の民の古語で、
「水と樹が、争わずに並ぶ場所」
を意味する。
イラリエンは、
ラヒの中でも比較的開かれた集落であり、
子どもが多く、婚礼が行われ、
歌と物語が絶えない場所だった。
■ 大遠征期
アーレン辺境伯領による大遠征の際、
この地は直接の戦場にはならなかった。
ハル=ラヒが盾となり、イラリエンは「守られた生活圏」として存続した。
しかし同時に、
- 人口は減少し
- 外との接触を避けるようになり
- 旧名は徐々に使われなくなっていく
■ 現在
現在、この集落は フェル=ラヒ と呼ばれている。
それは外向けの名であり、
イラリエンという名は、年長者や語り部の間でのみ囁かれる。
産業と交易
フェル=ラヒには明確な「産業」は存在しない。
生活は以下に支えられている。
- 狩猟
- 漁
- 採集
- 簡易加工
交易は最小限で、
主にラヒ内部、あるいはハル=ラヒ経由で行われる。
- 取引品:
- 薬草
- 獣皮
- 木工品
- 金銭の価値:低い
ここでは
「持ちすぎないこと」が美徳とされる。
統治と権力構造
フェル=ラヒに支配者はいない。
- 意思決定は合議制
- 年長者
- 家族代表
- ドルイド
が必要に応じて集まり、話し合う。
成文法は存在せず、
判断基準は常に
「森と次の世代に害がないか」
である。
宗教
信仰は生活に溶け込んでいる。
- 特定の神殿:なし
- 礼拝の時間:なし
代わりに、
- 湖
- 古木
- 泉
が自然な信仰対象となる。
婚礼、葬送、成人の儀は、
すべてこの環境の中で行われる。

