ブラッドフォード緩衝荒野

Bradford Wastes
雰囲気・景観
この地は、戦いが終わった後も、戦争そのものが居座り続けている場所である。
折れた槍、半ば土に沈んだ盾、砕けた石壁。
それらは片付けられることなく、霧と雑草に覆われている。
夜明けと夕暮れには低い霧が漂い、遠くで人影を見たと思っても、
それが本当に人であったのか確信できない。
焚き火の煙は上がるが、村の輪郭はない。
東寄りに廃墟となった砦が存在しているが、この砦跡は避けて通られており近づく者はいない。
地理・環境
- ウェイマス公爵領とミーダー伯爵領の境界地帯
- 中心にブラッドフォード旧戦場
- 東西に荒れた丘陵、浅い森、低湿地が連なる
- 明確な街道は存在せず、踏み固められた獣道や旧軍道が残るのみ
地形は緩やかだが、見通しが悪く、伏兵や待ち伏せに適している。
水源は点在するが、安全な井戸や管理された水場は存在しない。
歴史
●歴史
■ 旧ブラッドフォード会戦
この地はかつて、ウェイマス公爵領と北部諸侯軍が激突した大規模戦場である。
短期間ながら激しい戦闘が行われ、多くの兵が倒れた。

戦は停戦とともに終結したが、
勝者も敗者も、この地を「引き取らなかった」。
■ 放棄と空白
戦後、両陣営はそれぞれの国境線を引き直し、
ブラッドフォード周辺は「暫定的な緩衝地帯」として扱われた。
- 墓地は整備されなかった
- 戦場の回収も行われなかった
- 行政権も警備権も明確に設定されなかった
結果としてこの地は、
法・税・信仰・軍事のすべてから零れ落ちた空白地帯となった。
■ 現在
現在では、
- 逃亡兵
- 国境を越える密輸人
- 仕事を失った傭兵
- 王国や教会を嫌った者
- 「どこにも属したくない者」
が、一時的に身を寄せる場所となっている。
ところどころにある廃墟や村の跡が小規模な集落になっている場合もある。
そして人間の手が及ばないのを良いことに、
東西両方で亜人種の活動が活発になっている点が悩ましいところである。
誰もここを領有したいとは言わないが、
誰も完全に手放したとも言っていない──
それが、この地域の不安定さを生み続けている。

