ウェイリオン

Waylion
雰囲気・景観
この街には、
勝利の喧騒も、繁栄の誇示も存在しない。
あるのは、
崩れなかったものだけを残した静けさである。
厚い石の城壁は飾り気がなく、
城塞《グレイ・キープ》は威圧よりも沈黙を選んだ造りをしている。
建物は整然としているが華やかさはなく、
広場は広いが、声は低い。
夜、街路を照らす灯りは必要最小限に抑えられ、
巡回兵の足音が規則正しく石畳に響く。
地理・環境
ブラッドフォード(旧渡河戦地)から
やや南に入った微高地に位置する。
北側には、
かつて無数の兵が渡ろうとし、
渡れずに倒れた河岸湿地が広がる。
南は王国中部へと続く主要街道。
西は緩やかな農地と補給路。
東は深い森と、その縁に沿って設けられた監視区域。
歴史
■ 南北内戦とブラッドフォード決戦
この地の北、
ブラッドフォードの渡河点は、
南北内戦でもっとも多くの血が流れた場所である。
勝敗は決したが、
勝者は存在しなかった。
■ 公都の移設
戦後、
王国と新たに成立したウェイマス公爵家は、
意図的にブラッドフォードを避け、
この微高地に新たな公都を築いた。
街区区分
■ 城塞区

公爵家直轄区域。
軍政・記録・監視機構が集中している。
立入は許可制。
■ 行政・宗教区

裁定所、記録院、
聖カスバート神殿(中規模)と
ハイローニアス礼拝堂が並ぶ。
宗教施設は存在するが、
荘厳さは意図的に抑えられている。
■ 商業・宿場区

街道交易の中継地。
倉庫、商館、簡素な宿屋が多い。
市場はあるが、
祝祭的な活気はない。
■ 旧市街

内戦期に形成された古い街区。
老朽化した石造家屋と、
戦死者の名を刻んだ碑が点在する。
■ 東縁制限区

森側城壁内。
居住者は少なく、
観測塔への非公開導線が存在する。
産業と交易
南北交易の検問
物資の保管・再分配
軍需品の管理
統治と権力構造
統治者:ウェイマス公爵家
現当主:ヴァルドレク・ウェイマス
法と軍は分離されておらず、
しかし露骨な軍政でもない。
- 法律:存在するが柔軟
- 税:明確
- 駐屯兵:常備軍あり
統治の目的は、
繁栄ではなく再発防止である。
宗教
聖カスバート:主流(秩序と義務)
ハイローニアス:副流(戦士の名誉)
自然信仰:非公認だが黙認
信仰は存在するが、
声高に語られることはない。

