グリムデール

Grimdeil
雰囲気・景観


グリムデールは、かつて都市”ロザルアイアン”であった痕跡を色濃く残す、崩壊と沈黙の地である。
その異常は都市域に留まらず、周辺地域にまで及んでいる。
石造建築の残骸は半ば溶け、半ば歪み、意図の読み取れない角度で傾いたまま固定されている。
道であったはずの舗装は途中で途切れ、壁であった構造物は奇妙に引き伸ばされ、
影の落ち方すらも現実の法則に従っていないように見える。
この地では天候が安定せず、
ある日は暴走した魔法の嵐が吹き荒れ、
またある日は音そのものが消え失せたかのような沈黙が一帯を覆う。
異常な濃霧が突如として発生する日もあれば、
逆に乾ききった空気が満ち、植物すら萎れるほどの乾燥が続く日もある。
これらの現象は周期性を持たず、予測も困難である。
奇妙な景色に、調査者たちはしばしば距離感覚や時間感覚の乱れを訴える。
そして、災厄が起こった中心部には、
底の見えないほど深い穴が穿たれていると言われている。
地理と環境
グリムデールは、ヴァンデーゲン辺境伯領の西寄りに位置する内陸部に存在する。
周囲は緩やかな丘陵と古い水系に囲まれていたが、
現在では地理環境は大きく変わっている。
地表は一見すると安定しているが、地下には空洞や崩落層が点在しているとされる。
大規模な地盤沈下が起きた地域もあるため、どれぐらい地形に変化があったかはっきりしていない。
現在もこの一帯は「地理的に不安定な地域」として扱われ、恒久的な居住は禁止されている。
歴史的背景
グリムデールは、約100年前までは明確に“都市”として機能していた場所である。
交易・技術・魔術のいずれにも関わる拠点であったとされ、当時の記録には一定の繁栄が示唆されている。
しかし、ある時期に発生した大規模な災厄によって都市は壊滅的な被害を受け、
生存者の避難と同時に、地域そのものが封鎖された。
災厄の直後、王国および宗教界はこの地を「立入制限区域」と定め、
原因究明よりも先に封印と隔離を優先する判断を下している。
その後、長らくグリムデールは忌避の地として扱われ、
影響範囲や再発の可能性が不明確であったことから、調査そのものが避けられてきた。
近年(約20年前)になってようやく、
王国・宗教界・学術機関の一部が限定的な調査を再開しているが、
現在もなお、完全な解明には至っていない。
災厄について
公式には、グリムデールの崩壊は
「大規模な魔力事故、もしくは複合的な術式暴走によるもの」
と説明されている。
特定の個人・組織の責任は明示されておらず、
意図的な破壊であったか否かについても結論は出ていない。
この見解は、ヴァンデーゲン伯爵家および主要宗教勢力によって共有されており、
現時点で一般に流布している説明でもある。
現在の扱い
グリムデールは現在も以下の方針で管理されている。
- 原則として立入禁止区域
- 調査は王国または宗教界の承認制
- 冒険者の立入は「補助要員」としてのみ許可される場合がある
しかし、上記は事実上形骸化しており、立ち入る者は後を絶たない。
ただし、帰還しなかった者も数多くおり、その詳細や人数についてはまったくわからない。

