ウンルーエ大森林

Unruhe
雰囲気・景観



約100年前に突如形成された新生大森林である。
グリムデールの厄災により、西方の深層水脈が封鎖・変質した結果、地下水の流れが変わり、
低地一帯が水没 → 湿地化 → 急速な森林化を遂げたと、学者たちは考えている。
現在は湿潤な大森林として定着しているが、
その地表や水中には沈んだ都市遺構の痕跡が点在している。
地理と環境
グラウ=ホルン山域北側、グリューネフェルト地方の北縁に広がる低地一帯。
- 旧河川と地下水脈が集中していた地形
- 水没と乾燥を繰り返した痕跡が各所に残る
- 現在も地下水位が不安定
区域は大きく三層に分かれる。
外縁部:湿地と若木の森。人の立ち入りが比較的可能
中間部:巨大化した樹木と倒壊都市遺構が混在
深奥部:不明
歴史的背景
約100年前、グリムデールの厄災により西方の深層水脈が封鎖・転換されたものと思われる。
これにより、
- 旧来の都市と集落が長期間水没
- 人々は完全に撤退
- 水位安定後、急激な植生拡大が発生
結果として、かつて都市が存在した場所は
森に飲み込まれ、「新生大森林」と化した。
この地域は長らく忌避され、詳細な調査は行われなかった。
調査状況
約20数年前から、ようやく本格的な研究・調査が開始
理由:
- グリムデールの厄災の影響範囲が不明確
- 長年「触れるべきでない地域」として忌避されていた
- 植物系のモンスターの繁殖が顕著
調査団
今までに複数の調査団が断続的に派遣されている。
構成:
- 学者
- 神官
- 傭兵
- 冒険者
奥地まで到達した人数・回数は把握されていない
- 記録が散逸
- 生還者の証言が一致しない
成立と変質
成立から約100年しか経過していないにもかかわらず、
森の内部では300?500年分に相当する成長が確認されている。
この異常な成長は、
ここ数年になってさらに加速している兆候がある。
旧都市遺構
森の地下・浅い水没層に都市規模の遺構が残存していた。
一部が樹木により押し上げられて地表に現れている。
- 石造建築・街路・塔が確認されている
- 建築様式は現行王国圏と一致しない
- 正式名称・文明は未解明
宗教
調査団
- 王国系学術団
- ヴァンデーゲン伯爵領関係者
- 宗教勢力の観測隊
- 冒険者を含む非公式調査隊
調査団の内情
調査団の建前
目的
グリムデールの厄災による影響範囲の測定
新生森林(ウンルーエ)の地理・生態・魔力変動の記録
名目上の性格
・中立
・学術的
・政治・宗教から距離を取る
だが実態は――
実際の構成(内部では暗黙に分裂している)
① 王国・領主系調査派(約40%)
出資元
ヴァンデーゲン辺境伯を中心に、ピアーレ家・一部修道会
関心
災厄が軍事・統治に及ぼす影響
将来的な封鎖線の設定
「危険なら焼く・切る・閉じる」という判断材料
特徴
記録は比較的整理されている
危険地域には慎重
冒険者の扱いは「消耗品に近い」
→ 理性的だが、決断は冷酷
② 学術・魔術研究派(約30%)
出資元
魔術師ギルド、個人パトロン、古文書協会
関心
異常成長する樹木の魔力源
水没都市遺構の構造
深奥の柱が「何かを制御している」可能性
特徴
危険度を軽視しがち
「あと一歩」を踏み越えたがる
記録の一部を意図的に伏せている者がいる
→ 真実に近いが、最も危険
③ 宗教・信仰関係者(約20%)
内訳
ハイローニアス:監視・守護目的
ペイロア:被災者慰撫・癒し
聖カスバート:秩序維持(疑念強め)
アローナ信仰:正式団員ではないが同行者が混じる
関心
森は「神意か、罰か」
深奥の異常は「触れてよいものか」
特徴
調査にブレーキをかける存在
しかし最初に異変を察知することが多い
アローナ信仰の一部が、森に“歓迎されている”兆候あり
→ 危機感は正しいが、説明できない
④ 冒険者・傭兵層(約10%)
立場
単発依頼
護衛・探索・回収
実態
深部へ行った者ほど戻らない
生還者は口数が少ない
何人かは「記録上、存在しなかったことにされている」
→ 真実を一番見ているが、共有されない
宗教
アローナ信仰
森の近隣に定住集団あり。
森を再生と循環の象徴として崇拝。
他宗派
公式には慎重姿勢を取り、深奥部への言及を避けている。

