セーム

Seume

地理・環境

セームはアストランド南方レイクエンド地方、サンア湖東岸に位置する自治都市である。標高はおおよそ600m。
この地層は比較的固い岩盤で構成されており、建造物の基礎が安定しやすいことから、街は古くから発展してきた。

湖岸部には古代に作られた水路網が張り巡らされている。
いくつかは街の成立以前から存在しており、地下にも古い水路が複雑に伸びる。
沿岸に近い一部の地下水路には貧民が定住し、半ばスラム化している区域もある。

湖にある島には半ば崩れた遺跡の入り口が残っており、ここから地上層・半水没層・湖底構造の複合した迷宮へ続いている。
遺跡内部は傾斜・浸水・崩落が入り混じり、現在でも全容の解明には至っていない。

街の規模は総人口 2,500~5,000 人程度で、北部と南部で地形・産業・治安が大きく異なる。
東にはなだらかなレウスト平原が続き、さらに進むとカデトレン平原を抜け、ティフ村へ通じる街道に至る。
南側にはオウス沃野が広がり、農場・沼沢地・森が入り混じる。沼地にはカトブレパスやヒュドラなどの魔獣も棲む。

多くのノームやドワーフが暮らしていた影響で、街の一部には石橋、水車などの堅牢な技術が今も残っている。

成り立ち・歴史

● 商人ギルドの台頭

セームは自治都市であり、商人ギルドが支配的権力を持つ。
派遣されているアリアム子爵の部下は買収されており、ギルドの不正を黙認している。
最大組織は「レイクエンド・メルカント」で、地域経済と政治の双方に強い影響を与えている。

レイクエンド・メルカント


商人ギルド「レイクエンド・メルカント」

経済の核心: 商人ギルドは地域経済の中核を成し、貴族階級と密接に協力している。
彼らは地域の商業活動を促進し、商品の流通や市場の管理を行い、外部との貿易を担当している。
また、彼らは政策への影響を行使するために貴族と交渉する力を持っている。

  1. 西方交易

名前: 西商連盟 (せいしょうれんめい)
性格と特徴: 西商連盟は、ヴァンデーゲン伯爵領との交易を主軸に活動している、非常に実務的で効率を重んじる組織。
「西」の漢字を含むこの名前は、西方との交易を象徴し、商業と物流における強い結びつきを表している。
商人ギルドとリベール辺境伯が協力して運営しており、商機を逃さず、地域経済を力強く牽引する存在である。
彼らは実利を最優先とし、物資の運搬や取引において迅速で正確な対応を求められている。

  1. 東方交易

名前: 東商教会 (とうしょうきょうかい)
性格と特徴: 東商教会は、商業活動と宗教的な影響を強く結びつけた組織。
宗教的な影響としては聖カスバートの教えを広めることを主な目的としており、
各地に教会を建てている。

「東」の漢字を含むこの名前は、東方との交易を象徴するとともに、教会が持つ道徳的・精神的な価値観を反映している。
セームや東方地域との交易において、聖カスバート教会が主導権を握り、商業活動を通じて宗教的な教えを広めることを重視している。
彼らは商業活動においても厳しい規範を持ち、取引においては公正さと信仰心が求められる。
また、宗教的な行事や儀式も頻繁に行われ、商人たちの活動に宗教的な意義を付加している。

西方交易団は実務と効率を、東方交易団は宗教と公正を象徴しています。



● サンア湖の遺跡

セームの街には、冒険者グループがいくつか存在するが、サンア湖の遺跡に挑もうとする冒険者は少なく、
水中という特殊な環境や危険度の高さ、そして実入りの少なさから、
湖底遺跡に挑むことは高リスク・低リターンと見なされており、現在は挑戦者たちも少なくなりつつある。

しかし、街の宿屋や酒場には、過去に遺跡への挑戦を試みたことがある冒険者たちが滞在していることが多いです。
彼らは、その経験を語り草にしながらも、再挑戦する勇気を持たずにいる。
特に、北部工区にある「酔いどれサラマンダー」や、繁華街の「ロメーヌの旅籠」などでは、
遺跡に挑んだ冒険者たちが、失敗や生還の物語を酒の肴にして語り合う光景が見られる。

その一方で、未踏の部分が残されていることや、伝説的な宝物がまだ発見されていないことから、
新たな挑戦を試みる者もいる。彼らはかつての冒険者たちから情報を集め、次の一手を模索している。

セームの街の雰囲気

● 北部工区 ― 荒気漂う職人街

ノズヴォロ鉱山から買い付けた金属を加工する工房が集まり、武具・道具の製造が盛んである。
宿屋・酒場・浴場が並ぶ繁華街でもあり、荒くれ者が多い。

・酔いどれサラマンダー(宿泊2sp):喧嘩が絶えない職人酒場兼浴場
・ペルプ・ノーロの宿(3cp):北部スラム。一部屋に6~10人、衛生状態は最悪。

● 中心街 ― 市場と商業の核

湖の西方から運ばれる希少品の商店、新鮮な湖魚の市場、宿屋、飲食店が密集し常に賑わっている。

● 南部地区 ― 穏やかな商工・農業地帯

小規模な農場が点在し、オウス沃野での穀物・野菜の生産が街を支える。
第二商工区では木工・裁縫が盛んで、工房と直売所が並ぶ。

・灰王亭(2sp):冒険者たちのギルドとしても機能している。
・ハチミツ酒の宿屋(2sp):地元の木工家具と蜂蜜酒が名物
・プリチャードの小料理屋:野菜と魚介の素朴な料理が人気

● 多文化共存の街

テライナ人、北部移住者が互いを尊重して暮らしているように見える。
だがその実、テライナ人は奴隷のような扱いをされている場合も多い。
森の民はほとんど居住していない。

ストーンガード族のドワーフたちと、ミーズリングたちは人間(ヒューマン)の社会に溶け込んで暮らしている。
ノームはノーム街と呼ばれる場所に固まって居住している。

文化

● 食文化
湖魚と農産物を中心に素朴ながら滋味深い料理が多い。

魚の燻製
魚介スープ
ライ麦・オートミールパン
ハーブとベリーの保存食
貝のパイ包み焼き
ライ麦酒・オート麦酒など強めの地酒
野菜と魚の煮込み

など。湖畔と沃野の恵みを受けており、季節ごとの変化も大きい。

● 湖の遺跡と冒険者

水没した遺跡は多くが未踏であり、商人ギルド主導でノームの発明家が水中探索装置を作るなど試行錯誤が続く。
しかし高リスク・低リターンのため冒険者は激減し、 湖の遺跡については「語り草」として残る者ばかりである。

● 教育と知識

南の外れには老ウィザード、ブラム・ヴィジル が小さな学校と図書館を営んでいる。
かつて秘術の結盟に属した人物で、知識を求める者が密かに訪れる。

●ドワーフ石工オルダン

ストーンガード族の長寿ドワーフで、400歳を超える名工。
セームの公共建築や彫刻の多くを手がけ、様々な施工にも関わった。
若い職人への指導にも熱心で、市民から厚い信頼を得ている。

宗教

●セームの聖カスバート教会

聖カスバート教会所属の2部隊は、異端審問や宗教的な問題解決を行う。
常駐ではない「律法の刃」は異端審問官を擁しており、彼らは戦闘にもたけている。

「律法の刃」(Blades of the Law)
10名前後。ジャッジや異端審問官を含む。常駐しているわけではない。

「聖護の会」(Order of Sacred Guard)
20名程度で、クレリックを中心とした部隊。


●セームのペイロア寺院

セームのペイロア寺院はシャルカナス王国時代から存在しており、「永遠の炎石」を保有しているとされる。
ペイロアの祝福を象徴する「永遠の炎」を石として封じたものとされ、
ペイロアの神の光が象徴として燃え続けると伝えられている。

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