シーブル自由都市

概要

アストランド人が最初に入植した土地のひとつであり、王国成立以前から存在した歴史ある港湾都市。
王国成立後も、「自由都市憲章」により独自の法律・自治を保持。
アストランド人、テライナ人、亜人種、東方からの商人など、あらゆる種族と文化が交差する国際都市。

統治構造

王家直属ではなく、「五大ギルド会議(Council of Five Guilds)」によって政治が運営されている。
商人ギルド、船主ギルド、工匠ギルド、治安ギルド、信仰ギルドが代表。

王都アスティリシアに対しては定期的に貢納金を支払うことで独立性を保つ。

市長(Lord Provost)は形式的な代表にすぎず、実権はギルドにある。

人口構成

人間(アストランド・テライナ)70%、亜人種15%、南方人5%、その他10%。
外国語・交易語が飛び交う多言語社会。読み書きができる者の割合は比較的高い。

軍事的背景





正規軍は持たないが、ギルド傭兵団と港湾治安隊によって街の秩序を維持。
傭兵は流れ者も多く、時に海賊まがいの行為を黙認する場合もある。
海に面した防衛設備(砦・火砲塔)が存在し、過去には数度の外敵襲撃を防いできた。

文化的背景

アストランド王国の他地域と比べ、信仰の自由・言論の自由が非常に強く保障されている。
聖カスバート、ハイローニアス、ペイロア、アローナ、異国の神々まで多様な信仰が共存。
魔術も比較的寛容に受け入れられており、東方の術者や異端の魔術師の避難所ともなる。

演劇、詩、音楽、酒場芸など都市文化が発達しており、芸術家や吟遊詩人の登竜門でもある。

経済・交易構造

●港湾都市としての繁栄
アストランド王国の国際貿易港として、海上交易の中心を担う。
海外からの高級品(香辛料、絹、魔法素材など)が集中するため、王都以上の富裕層も存在。
専用の関税制度・仲買人制度が確立されており、「海の秩序」とも呼ばれる独自の商法が存在。

●交易の中継地
南部の都市でありながら、北部のランコーカス・バリニール・スブニールの各領とディング王国の物流ハブ。
海産物・塩・保存食料の流通において王国に欠かせぬ存在。

主要地区ごとの構成





シーブルは海に面した天然の良港を中心に、5つの主要地区と複数の下層街・外縁部から成る、層状の都市となっている。





①【港湾区(ドックウォード)】
海の玄関口。交易船、漁船、旅客船、軍用船が行き交う大動脈。
巨大な桟橋と倉庫街が並び、税関、海事ギルド、検疫所、ドライドック(修理場)などが集まる。

沿岸には 船乗り酒場や安宿、ならず者の集まる水上賭場 も。
《シーブルの盾》と呼ばれる海防砦が外洋に面して構築されており、大砲や魔法装置が配備。

②【商業区】
港で荷揚げされた品々が流通する都市最大の市場地区。
各ギルドの取引所、両替商、保険所、占術堂などが並ぶ。
錬金術師や魔法道具商の店も多く、異国の品や魔法の掘り出し物が見つかることも。
「金の交差路(Golden Cross)」と呼ばれる五街道の中心がここにある。

③【旧市街】
アストランド人が築いた初期の街並みが残る区域。石畳と中世風の建物が並ぶ。
領主館跡や古い聖カスバート教会、旧市政庁舎などの歴史建築。
一部は貧民街に変わっており、地下にはかつての壕や古いダンジョン構造が眠っていると噂される。

④【異国人街】
東方、南方、亜人種、森の民、ノーム、ドワーフなど、あらゆる非アストランド系文化が交差。
テライナ神殿や異国の市場、香辛料店、東方魔術師の家などが点在。
自由と共存の象徴ともされるが、情報ギルドや影の勢力の温床でもある。

⑤【高台区(ブロンズテラス)】
裕福層とギルドの上層部、外国の外交官が住む高台の邸宅街。

ギルド会館やシーブル評議会庁舎、私立魔術学院などが存在。
「風の階段」と呼ばれる長い石段の先にあり、港を見下ろす絶景が広がる。

※その他の区画
夜霧通り(ナイトフォグ・ストリート)
犯罪が多発する裏通り。密売・人身売買などの噂。

浮遊市場(フローターズ・マーク)
水上に浮かぶ即席の市場。日によって店が異なる。

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