カーラズの裂け目

The Karras Rift
●雰囲気・景観
カーラズの裂け目は、古代ドワーフの坑道、自然洞窟、分裂の抗争期に掘削された補給路が複雑につながった地下道網である。
石組みの輸送路が残る区画もあれば、落盤によって狭い亀裂となった場所、地下水に沈んだ坑道、地熱と魔力によって岩壁が変質した空洞も存在する。
壁面には古いドワーフの刻印、カーラズ軍の進路標識、密輸業者が残した新しい目印が重なっている。道標の多くは破損しており、誤った印や意図的に書き換えられた記号も少なくない。
●地理・環境
領内側の入口は、ノランディス北東部にある旧鉱区の廃坑に隠されている。
地下道はアンダーダーク浅層へ降り、地下湖と流砂地帯が広がる「ウル=ルークの割れ目」を経て、ミーダー伯爵領地下の「ティーヴァの虚窟」へ通じている。
すべての区間が一本道でつながっているわけではない。崩落、浸水、地殻変動によって道は分断され、古い縦坑や自然の亀裂を迂回しなければならない場所も多い。
地上を通れば数日を要する距離を短縮できるが、安全に通行できる者は限られている。
●歴史
■古代ドワーフ坑道
最初の坑道を築いたのは、ファイアハート族をはじめとする古いドワーフの鉱夫や技師だった。
坑道は鉱石と物資の輸送に使われていたが、アンダーダークへ通じる亀裂の拡大や地下生物の侵入によって、深部区画は放棄された。
■分裂の抗争
A.D.124年の分裂の抗争において、カーラズ軍は古い坑道を発見し、補修と拡張を行った。
狭く不安定なため大軍の移動には適さなかったが、伝令、斥候、小部隊、武器、食料などを地上の監視を避けて運ぶ補給路として利用された。
戦争終結後、軍は主要入口を封鎖し、地下道の記録を言霊の館の禁書庫へ移した。しかし、すべての出入口を把握することはできなかった。
●内部構造
■ノランディス旧鉱区
カーラズ領側の主要入口。表向きには落盤の危険がある廃坑として封鎖されている。近年、坑道内部から異臭や奇声が報告されている。
■古い輸送坑道
ドワーフの石畳、排水溝、荷車用の轍が残る区画。一部には分裂の抗争期の兵糧庫や番所跡がある。
■ウル=ルークの割れ目

地下湖、崩れた岩棚、流砂状の堆積物が広がる中継地点。幻覚性の胞子を放つ菌類や、知性を持つヒルの群れが生息している。
■ティーヴァの虚窟

ミーダー伯爵領地下にある出口。忘れられた聖堂跡と接続しており、一部の魔術師によって監視されてきたが、現在は施設の多くが崩壊している。
●現在の利用者
公爵家はカーラズの裂け目を封鎖区域としているが、地下道の存在そのものは公にしていない。
現在は、以下の者たちが断片的な経路を利用している。
- 紅黒石や魔法品を運ぶ密輸業者
- 追跡を避けて移動する犯罪者や逃亡者
- 古い抜け道を知る森の民
- ドワーフの遺構を調査する学者や探索者
- 地下に祭祀場を築いたデヴィル信仰者
- 公爵家の密命を受けた監視員や魔術師
それぞれが知る経路は異なり、地下道全体の構造を把握している者はいない。
●主な危険
密輸業者や異端集団との遭遇
落盤、浸水、酸欠、可燃性地下気
道標の欠落と意図的な偽装
幻覚胞子を放つ地下菌類
地下湖や流砂地帯
知性を持つヒルやアベレーション
アンダーダークから侵入する怪物
不安定な魔力が漏出する区画




