ハウスフィン

Hausfin
ダロウ自由国(旧ダロウ伯爵領)西部/復興中の沿岸都市
●雰囲気・景観
ハウスフィンは、大津波によって壊滅した旧市街を離れ、湾の奥に再建された港町である。
木造の桟橋には小型・中型の商船が停泊し、岸辺には倉庫や商館、住宅が並ぶ。新市街には復興の活気があるものの、都市の規模や交易量は震災以前には及ばない。
湾の別の場所には、崩れた建築物や海中に沈んだ旧市街が広がっている。海は現在も住民の生活を支えているが、同時に多くのものを奪った存在でもある。
●地理・環境
ダロウ地方西部の海岸、大河が海に注ぐ河口付近に位置する。
A.D.196年の大震災と津波によって海岸線や湾内の地形が変化し、現在の市街地は旧市街より湾の奥まった場所に建設された。
港は小型・中型船を中心とする規模で、海上交易と河川交易の双方に利用されている。
南東のヴァルクレールへ通じる街道は、西方の広い森林地帯を避けるように延びている。
●街区区分
新ハウスフィン市街
湾奥に再建された現在の居住・商業地区。港湾施設、倉庫、市場、商館、住宅などが集まる。
旧市街・旧港湾地区
大震災と津波によって約8割が失われた地区。陸上や海中に建築物の残骸が残り、沈没した財貨の所有権を巡る問題も存在する。
旧製塩地区
津波で大きな被害を受けた沿岸の製塩地帯。一部の施設が復旧し、現在も塩の生産が続けられている。
●歴史
■ 大震災以前
人口3,000~4,000人を擁し、製塩業と塩の集積・流通によって発展した港湾都市であった。
■ A.D.196年 ― 大震災と津波
大震災に伴う津波によって、旧市街・旧港湾地区の約8割が崩壊、あるいは海中に没した。
多くの住民が住居や仕事を失い、周辺の村々との間で避難民の移動が生じた。
■ 都市の再建
旧領主アルベール・ド・ヴァレンヌ、商人たち、そして後にニューフリーホールドを建設する武装集団が協力し、湾奥に新しい市街地と港を建設した。
その後、復興の利益配分や海中に沈んだ財貨の権利を巡って意見が対立した。武装集団は、より多くの財貨を引き揚げられる可能性を求め、旧ヴァルシェーヌ城方面へ移った。深刻な武力衝突には至っていない。
■ 現在(A.D.201年)
復興から5年が経過し、人口1,500~2,000人の港町として再出発している。ただし、経済活動も市街地の整備も震災以前の水準には回復していない。
●産業・交易
ハウスフィンの主要産業は、製塩業と塩の交易である。
周辺の沿岸地域では古くから製塩が行われ、他の沿岸地域で生産された塩もハウスフィンに集積されていた。塩は河川船や荷車によって内陸部へ運ばれる。
津波によって製塩場や港湾施設が大きな被害を受け、生産量・取扱量ともに減少した。現在は旧製塩地区の一部施設が復旧しており、新市街へ塩を運んでいる。
港湾交易は縮小したものの、内陸部への塩の供給拠点として重要な役割を維持している。
●統治と権力構造
旧領主:アルベール・ド・ヴァレンヌ(66歳・男性)
かつてハウスフィンを治めていた貴族領主。大震災後の復興に尽力したが、都市の経済的価値が低下したこともあり、現在は実質的な統治から退いている。
商人代表:ニコラ・ベルタン(54歳・男性)
塩交易に携わる商人で、現在のハウスフィンの実質的な統治者。港湾の復興や交易の再開に尽力してきた、現実的で交渉に長けた人物。
都市の運営は商人勢力を中心に行われており、アルベールとニコラの関係も良好である。
●軍事・治安
ハウスフィン都市警備隊:常勤20~30名
大震災後、避難民の保護や治安維持のため住民たちが結成した自警団を前身とする。
復興が進むにつれ商人たちの資金援助を受け、常設の都市警備隊に近い組織へ発展した。現在は市街地の巡回、港湾施設や倉庫の警備などを担当する。
緊急時には元自警団員や一般住民の協力を得るが、大規模な軍事的脅威への対応力は限られている。
警備隊長:マチルダ・ルノー(30歳・女性)
震災後に流入した冒険者の一人。復興期の活動を通じて実力と信頼を認められ、現在は警備隊を率いている。
責任感が強く実直な人物で、商人たちと協力しながらも、都市と住民の安全を重視している。
●宗教
■プロカン
海と航海を司る神。船乗り、漁師、海上交易商人を中心に信仰されている。大津波を経験した住民にとって、海への感謝と畏敬は切り離せないものである。
■ゲシュタイ
河川や湖、井戸などの淡水を司る女神。河川交易に携わる人々や、生活用水に関わる住民たちから信仰されている。

